週末はWan・Can・Run!

イギリスのパブ・ビールにはまって本まで出してしまったが、娘が生まれてからは、飲みに行くとツマの冷たい視線が来るようになり・・・娘がパパから離れていく頃、念願のワンを迎えて、リュックに缶ビールを忍ばせて週末あちこち散歩の日々。イギリスを始めとするパブ情報のWebページはhttp://terryspub.nobody.jp/に引っ越し、休眠中。イギリスでのパブ旅については、こっちのほうに仮にアップしています。https://terryspub2009uk.hatenablog.com

大荒れのGuam

なぜ、グアムだったのか。理由は2つ。

1つは、10年前の取材旅行のリベンジ。その時は一人でレンタカーで右側通行をこわごわ運転してスーパーマーケットを取材して回った。金曜日に着いて、2泊し、日曜日の明け方の便で帰り、成田に着いたのが月曜日の朝。それから直接出版社に出社したので、身体はクタクタ。気づけば、海に入るどころか、グアムの青い海をまったく見なかった弾丸旅行だった。

そして、もう1つが、石井敏之さんのビールを飲む、ということ。サンディエゴそして日本のビール界で、カリスマ的な存在として、今のクラフトビアブームの火付け役となった彼が、何を思ったかグアムでビールをつくっている。そんな噂を4年前位から聞いていた。

10年前に行ったときは、クラフトビールどころか、輸入ビールも大したものがなく、せいぜい気の利いたレストランやコンビニでメキシコの下面発酵黒ビール・ネグラモデロが置いてある程度だった。そんなクラフトビール未開の島で、どんなビールを作っているのか・・・。

7/27(日)、着いたその日の夜、家族たちと夕食を済ませると、夜8時という遅い時間にもかかわらず、ホテルのロビーまで迎えに来ていただき、普段は土曜日にしか試飲できないブリュワリーをわざわざ開けていただいて、全種類を飲みたいとお願いした。


ペールエールIPA、ポーター、グリーンティIPAの順にいただいた。どれもすごく飲みやすかったが、ペールエールが一番たくさん飲めそうな感じがした。グリーンティはさわやかで、けっこうグアムの気候に合って、いけるかもと思った。

飲みながらいろんな話を伺ったが、2010年に島に来てから4年目、ようやく最近黒字に転じてきたそうだ。
今は週に4回仕込んで、約450リットルずつ位醸造している。
もちろん、モルトやホップはアメリカからの輸入。現在は島内にしか流通・販売をしていないが、最近Great American Beer Festivalで準州からの参加も認められたので、ここグアムからの参加も可能になったことも、モチベーションになっているとのこと。

米軍基地内ではよく受け入れられ、ボトル買いをしていていく人も少なくない。しかも最近は、ホテルエリアのレストランなどで「食事に合うビール」として受け入れられ、根を下ろしつつあるという。ボトルはサークルKなどのコンビニでも買える。
「日本のビール業界は、本業・本物・本気の人は少ない。現に、せっかく醸造技術を身に着けても、独立して起業する人は少ないのはすごくもったいないと思う」
と石井さんは嘆く。アメリカ、日本、そして時々はイギリスでカリスマ的なビールを作ってきた後、ここグアムで挑戦することを選んだ。
日本の「とりあえずビール」のように、バドライトとかミラーライトなどのライトラガーを水のように飲む、ビール未開の地。
そんな中で市場を開拓していくのは並大抵の苦労ではないと思うが、「俺はここで本業・本物・本気を貫いて、しかも楽しみながらやっていく。」


「なぜGuamか?誰もやったことのないエリアで、全米でも珍しいクラフトビール不毛地帯だからこそ、pioneerとしてやってみたかった。弟子達を育て、独立させ、競争しあいながら、いつの日か世界最高峰のクラフトビールアイランドにするのが夢だね。」


訪れた人のメッセージが書いてある壁。僕も「Toshi's Passion Forever!」
オフィシャルサイト→http://www.ishiibrew.com/


さて、1日目で貴重な話を聞いた後、グアムビール事情を調査。

Kマートでは、ほとんどラガーしか置いていなかった。


マイクロネシアンモール内ペイレススーパーマーケットでは、10年前と違い、アメリカのクラフトビールが7種類くらい置いてあった。


今回のお土産ビール。Minagofは1リットル入り。PaleAleとIPA


ホリデーリゾート&スパ1Fの「カリフォルニアピザキッチン」は、ピザがおいしく、MINAGOFのPaleAleと良く合ったな。石井さんの知り合いだという話をしたら、カウンター内で写真を撮ってくれた。


オーシャンビューホテルの1F、チャモロ亭。ここのオーナーは日本の方で、「グアム新聞」のオーナーでもあり、僕も10年前の取材時にはお世話になった。この日はオーナーは不在で残念。ミラーと並んで、ミナゴフ(一番奥)が。冷蔵庫内の下の細長いのがIshii Brewing のケグ。


こんな風に日本人旅行者にアピールしている。


泊まったホテル「ロイヤルオーキッド」の1Fの、全米一人気のスペアリブ店トニーローマにミズーリ州のMichelobのアンバーボックが。ラガーだけじゃないんだな。


さて、ここからは一番目の目的「青い海」が果たせたかどうか、について。

ロイヤルオーキッドは、ホテル地区の端に位置するが、Kマートまでも歩いて行ける、ロケーション抜群の場所。


4Fからは海が見渡せ、正面にはマリオットホテル。右前方は恋人岬。きっと青い空の下、そのうちこの景色を堪能できるのだろうと思っていたが・・・。


7/28(月)の朝は、どんより。天気予報は、見事に月、火、水に50%。これがのちに水曜日が80%に上がっていく。台風が近づいているらしい・・・。


この日は午前中、島の北端の「ココパームガーデンビーチ」へのオプショナルツアーに申し込んでいた。ああ、一昨年の台北旅行の時も、台風のなか、申し込んであった「市内観光」をして、何も見れずに、バスで回っただけだったんだよな・・・ でも、今回は、50分くらいボコボコ道をバスで揺られていって、午前中、雨は降らず、シュノーケリングを楽しめた。曇りでも透明度10mくらいはあったかな。これが晴れていたら、と思うと(泣) ちなみに今回はうちら3人とお義母さんと義妹の5名のメンバー。

お義母さんと義妹と娘は疲れて、午後ホテルで休み、僕と妻はマイクロネシアンモールで買い物。
夜はトニーローマで夕食。

7/29(火)は朝からイルカウォッチングを申し込んでいた。前日から電話で確認していたが、催行はされるとのことだったので、娘と二人で参加。妻はオーストラリアですでに経験済みということで、妻たちはその間ホテル近辺を散策。


バスで20分ほどで、まずはFish Eyeという海中展望塔へ。こういう風にダイバーが餌をやったりしているので、いろんな魚がすっごい集まってきていた。台風の低気圧のせいか、咳をゴホゴホやっていた娘も、大喜びで走り回って、こんなふうに全部の窓をかぶりつきで見ていた。


そして、念願のイルカに向かって、ボートに乗り込む。波がけっこうあらかったので、20名中、半分以上の人はゲロゲロやっていたが、僕らはワクワクしすぎて酔う暇もなく・・・。ついにイルカの群れに遭遇。上は何気なく撮った写真だが、偶然! 赤い丸印、イルカの背びれ、分かります? こんな感じで、10分くらいの間に20頭くらいのイルカを見られた。船のすぐ近くまできたりもして、初めて海で泳いでるイルカを見られて、2人で大興奮。娘はさすがに後半は気持ち悪そうにしていたので、僕が一番楽しんでしまったかもしれない。



午後はみんなでリナラカルチャーパークへ。先住民のチャモロ族の暮らしぶりが体験できる。この兄ちゃんが親切にいろいろ教えてくれたな。
いろいろな動物もいて、これはやぎに葉っぱをあげているところ。僕はここでヤシの実を食べて森に住むという「ヤシガニ」を初めて知った。兄ちゃんは「おいしいよ。とくにお尻が」と言っていた。


ゆっくり見終わった後、近くの「ガンビーチ」を散策。日本軍が残した大砲が残っているのが名前の由来。この影響で、帰りの飛行機では映画「永遠のゼロ」を見てしまった。


ビーチで写真を撮っても、こんなおどろおどろしい感じに・・・(笑) この頃は風も結構強く、休憩のために入ったホテルニッコーグアムのロビーも、シャッターを閉めていた。


本当はここでこの旅のメインイベントとして、ポリネシアンディナーショーを見る予定だった。ビールも飲み放題を申し込んでいて、楽しみにしていたが・・・当然この風雨の中では中止になり、振替で「Sand Castel」という室内のラスベガスショーへ。これはビールや食べ物はしょぼかったが、マジックやサーカスが意外とすごく、みんな楽しめた。娘もフェイスペインティングをしてもらい上機嫌。ショーのテーマが「夢」だったが、この旅行も台風に振り回された「悪夢」?(笑)


7/30(水)、祈る気持ちでホテルの窓を見ると、葉っぱがついてる・・・(笑)。風も昨日より強く、台風っぽくなってきた。旅行会社に電話すると、案の定、帰りのフライトはキャンセル。さあ、ここからが大変、代替の便を連絡待ったり、延泊の手続きをしたり、保険会社に電話したり、うちは猫、お義母さんの家は犬を置いてきているので、その世話の手配、お義母さんはうちのマンションに前後泊をするために駐車しているからその延長、などなどいろんなところに連絡。僕は7/31(木)も会社を休みにしていたので、まあ、それはよかった。


それらが一段落して、台風でどこも店とかはやってなかったが、唯一やっていたマイクロネシアンモールに再びみんなで行き、また買い物。夜は石井さんのビールも置いてあるし、オーナーにも10年前の取材のときにお世話になったので、「チャモロ亭」へ。ここで「ヤシガニ」が珍味としてメニューにあったので、ちょっと高かったけど、食べてみる。普通のカニのほうがおいしいかな・・・こちらでは結婚式とかお祝いの席で食べるのだそうだ。

そして、7/31(木)はパッキングをしたあと、ふたたびKマートへ買い物に行き、来るとき2つだったトランクが5つに。挙句の果てに1つはビールの重みで重量オーバーとなり、大騒ぎをしながら、超混雑の空港内で荷物を調整。帰りの飛行機も遅れ、成田に着いたのは夜10時、家に着いたのが夜中12時。そして翌日の金、土と仕事、という、10年前とそんなに変わらない事態になった(笑)

初めての経験だったが、1日多くグアムにいられたと思えばいいか。前回は一人だったけど、今回は大勢だったから楽しかったし。ビールもそれだけ余計に飲めたし。お義母さんも、カンカン照りじゃなかったから楽だったし。

でも・・・心のどこかで、今度はドライシーズンにまた「リベンジ」したいと企んでいます・・・。
そのときは Minagof Beer の空きビンを持っていって、入れてもらおうっと。