週末はWan・Can・Run!

イギリスのパブ・ビールにはまって本まで出してしまったが、娘が生まれてからは、飲みに行くとツマの冷たい視線が来るようになり・・・娘がパパから離れていく頃、念願のワンを迎えて、リュックに缶ビールを忍ばせて週末あちこち散歩の日々。イギリスを始めとするパブ情報のWebページはhttp://terryspub.nobody.jp/に引っ越し、休眠中。イギリスでのパブ旅については、こっちのほうに仮にアップしています。https://terryspub2009uk.hatenablog.com

富士登山本番! ⑤第3日(笑顔の下山)

3:30 起床

昨日、朝食の場所までお腹すいてしまったし、お昼もひもじい思いをした。その教訓を生かし、少し早く起き、昨夜支給されたパン2個のうち、1個は昨夜夜食として寝る前に食べ、1個は朝食べて、コーヒーも飲む。東洋館はコーヒーもおいしい。

5:03 ご来光

昨日と同じくらいきれい! こんなきれいなものを2日続けて見ているなんて、なんかバチが当たりそう。

5:30 下山開始

通常は、頂上から下山専用の道を行くのだが、このツアーの場合は、山小屋に戻ってくるので、下山道に一度入り、その後、登山道にショートカットした。今日は山小屋から、途中までブルドーザー用の物資の道を下り、6合目の手前で下山道に合流する。いわば、最も短い往復距離で富士登山ができる、究極のツアーだ。

近藤さんは、20分に1回くらいの休憩のたびに、ガイドや、富士山裏話や体験談など惜しげもなくお話してくれ、ただの休憩ではなく、心も満たされる貴重な時間だった。この下山が終わるのが、寂しい。

通常は水色に塗った下山専用道を使うのだが、このツアーの場合、2泊目も山小屋に泊まる都合上、緑色のように、登山道を戻っていくコース。

御来光を浴びる富士山。「赤富士」をこんなに間近で。

朝日を浴びながら下山開始。矢印が金時山で、その右が箱根の山らしい。

youtu.be

6合目の手前? 山小屋たちがあんなに遠くに。山小屋の右上が頂上。もうこんなに下りてきてしまった

youtu.be

7:20(下山開始1時間50分後) 6合目到着

2日前、あんなに不安な気持ちで「ここからが登山ですよ~」と言われたところに、こんなに楽に帰ってきている。

6合目の富士山安全管理センターを過ぎたあたりで、馬に遭遇。この時間は6合目まで、歩けなくなった下山者を乗せるために「出勤」している馬も多かった。

近藤さんが教えてくれた、雪の重みでこんな形になっているが、根っこからかろうじて栄養をとって生きている木。これから、この木のようにたくましく行くぞ!

もうすぐ5合目。行きは、ガスってたな、この道。このツアー、もうすぐ終わりだなんて、思いたくない!

8:20 五合目到着、解散

無情にも、ツアーは終わりを告げる。登山口のそばで、皆で輪になって、今回一番印象に残ったことを言い合う。僕は「馬の背」がきつかったことを言った。何で泣いたかまでは言わなかったが。

達成感、自信、一生の思い出、、、2日前にはなかったものをお土産に到着! 

ツアーが10時に終わる予定だったので、それからコインシャワー入ったり、お土産買ったりする予定で帰りのバスは12:30発に予約していた。東洋館から降りてくる下山道(ブルドーザー道)が7:00までに下りないといけないということで、予定より早めにご来光直後5:30に出発したので、5合目に到着したのは大分早かった。到着日8/19(土)は5合目は今年一番の混雑になりそうということで、初日にすでに高度順応の時間に5合目のお店は一通り見てしまったので、早めに退散しようと、11:00発のバスに変更した。小御岳神社で娘の受験のお守り、家族へのお土産、帰りのバス用のビールを買い、トイレの洗面所の水をタオルに浸して体を拭き、バスに乗ると、隣には若者男性が。レジ袋に空のペットボトルを何本も入れ、短パンにTシャツといういかにも「弾丸」っぽい感じだ。

バスが出発して、左側に見える富士山に心の中で礼を言い、5合目を下り(バスだとメロディポイントが鳴らない!)、高速に乗ったところで「プシュ、プハー」をして、この世で一番うまい一杯を飲んだ後、さあ、隣に話しかけてみるか、と隣を見ると・・・ワイヤレスイヤホンをして熟睡している。まあいいか、中国人で、言葉が通じないかもしれないし。

そんなこんなしている間に、12:00を回り、中央道府中への到着時間が近づく。ビールを飲んだので、着く前に行っておこうと、隣の人を起こして、トイレから戻ってきたタイミングで、「いつ来たんですか?」と声をかけてみた。するとその日本人の若者(20代)は、昨日から登って、僕らと同じ東洋館に泊まり、深夜出発して山頂でご来光を見たという。さらに聞くと、彼は昨年初めてトライして、8合目の山小屋「白雲荘」で高山病になってしまったらしい。「今回、高山病にならなかった理由は何だろうね」と聞いてみると「今回のほうがゆっくり登ったことですかね」彼は、5月に東洋館を予約したが、天候の都合で当初の日程から、今回の日程に変更し、今日下山してから40分後のこの便が唯一空いていた高速バスだったので、慌てて飛び乗ったとのこと。いろいろな偶然が重なり、僕と彼は隣り合ったわけだ。そして、僕がトイレに立たなかったら、こんな会話もできなかった。これだから旅は面白い。

彼は言った。「登山って、若さとかじゃないのが面白いですよね。去年、僕がへばっている横で、高齢者の方がゆうゆうと追い抜いていきました。」That’s right!!

5合目で購入し、帰りの高速バスでプシュ、うまくないはずがない!! 日本のクラフトビールのパイオニアエチゴビールさん製造


富士登山まとめ■
①江戸時代の富士講の人たちがそう信じていたように、富士山に登ることで「生まれ変わる」ことが目的だったが、ちゃんと生まれ変われたと思う。正確に言うと、「困難なことでも事前に準備すれば乗り越えられる」ことを経験し、今後への糧・自信になった。自信なさげだったOさんも、2度目にやっと登れたHさんもそうだったと思う。太古から霊峰と言われていたように、富士山登頂は、皆にすごいパワーを与えてくれる。
②2泊のツアーにして本当に良かった。これが1泊だったら、あんなハードなお鉢めぐりのあと、5合目までの下山に、膝が持たなかった。膝が痛くなり始めると手遅れなので、初めからずっとサポーターをしていたのもよかったのかもしれない。

③8/19に下山して、13時くらいに自宅に帰った後、夕方犬の散歩に行けるほど軽い筋肉痛で済んだ。翌日も尻、もも、ふくらはぎが痛かったが、練習登山のとき程度。最初の練習登山の1週間続いた筋肉痛よりはまし。

④よく「富士山は登る山ではなく、見る山」というが、確かに、8合目以降は植物も少なく、下界の景色も、曇っていればガスか雲海ばかり。登るのは砂利道かきつい岩場、と「歩いていて楽しい尾根・森林・絶景」というのは少ない。それでも、僕は富士山に実際に上ったほうが、富士山が理解でき、今度見るときにはもっと楽しめると思う。「登ってみてよかった」と絶対に言える。

⑤山頂を極めた後だが、今、今度は1合目から登ってみたい自分がいることに気づく。登る前は、そんなことを思うなんてまったく想像していなかった。そんな考えがもたげたのも、今回が想定よりも100倍楽しかったからだ。

・・・ということで、1年間僕の暴走を見守ってくれた家族と、練習登山に付き合ってくれたビータ、ありがとう!!

8/18(金)に山頂郵便局に投函して5日後に無事に家族に届いた手紙。消印には郵便局がデザインされていた。

3か月前の、初めての練習登山(奥高尾)で。