13: 30 登山開始!
登山口で協力金1,000円を払い、札をもらう。意外にも(?)立体的でかっこいい札だったので、リュックにつけて登ることにした。練習登山ではここに熊よけの鈴をつけていたが。
近藤さんから「一番遅い人は前、早い人は後ろ」と言われて、じゃあ、僕は前の方かな、と一瞬思ったが、今回の8人のうち、男性は僕入れて2人だけ。そうなると、初心者だろうが何だろうが、やっぱり後ろになっておくべきなんだろうね、と2人でしんがりを務めることにする。もう一人の男性Oさんは、開口一番「不安しかないですね。とくに高山病が心配」と言っていた。「でも、絶対に8人全員で登頂しましょうね」と、底抜けにさわやかな人なのであった。
14:30 6合目に到着
ここには「富士山安全指導センター」とトイレがある。事前には、デポジット2,000円でヘルメットを借りようと思っていたが、いざここに来ると、たぶん、500gはあるよなあ、、、そして、もし大きな落石があったら、首の骨折って死ぬから、ヘルメット関係ないよなあ、と思い、借りるのをやめた。とにかく少しでも軽い身で「剣が峰に立つ!」 僕はそこに照準を合わせることにした。
17:30(出発して4時間) 東洋館着
改装したばかりの、きれいな山小屋。ツアー客の中には、富士登山2回目の挑戦の女性もいて、このHさんは、前回の山小屋での睡眠がすし詰めでしかも隣が男性だったために、全く寝られなかったそうだ。あげく、本八合目の山小屋でもうギブアップとなったそう。
僕はというと、実は、山小屋についた時点で、またもや頭痛がする。
やばい、、、
標高0mでは約1013hPa(1気圧)それが10m高くなるごとに約1hPaずつ下がっていく。富士山5合目は標高2,400m、ここ東洋館は約3,000mなので、今は約700hPaと、地上の7割の気圧ということになる。明日行く頂上では6割くらいに下がる。ちなみに富士山は、高山病が起こり得る日本で唯一の山だそうだ。
近藤さんは「1日目は身体を高地に慣らすハイキング。2日目は鼻歌まじりに頂上にのぼって、お鉢めぐり、下山の足を残しておくんですよ。」
1日目の4時間は、20分に1回くらいずつ休憩・ガイドを入れてくれ、終始リラックスして皆でしゃべりながら楽しく進めたと思う。頭痛という爆弾を除いては、何の心配もない。そして、この頭痛に対しても、自分なりの秘策を後で試すつもりだった。
18:15 夕食
4人テーブルを囲んだツアー客は、Oさん含めそれぞれが1人で参加した人たちだ。ここ東洋館の名物でもある「おいしい生ビール」をプハーする。パイプ洗浄や温度管理など完璧で、下手な都会の居酒屋で出てくるビールよりもうまい。でも、なんか酔わないな、、、高地だと回りが早いと聞いていたが。たぶん、翌日が本番という緊張なのだろう。
夕食を終えると、山小屋内が消灯されたりして、20時から、小屋全体が睡眠モードに入る。人によっては深夜に出発して山頂を目指す人もいるから当たり前なのが、僕は敢えて20時ではまだ寝なかった。早く横になりすぎてしまうと、寝れずにつらくなってしまうので、22時までは外の夜景見たりとか荷物整理をしたりして過ごした。気圧に身体を慣らしてから寝たほうがよいというのも見たことがあるし。
さて、22時に個室の寝袋にくるまり、秘策・・・そう、睡眠導入剤を飲んだ。