図書館でビデオがあったので、思わず借りてしまい、今日見た。
よほどの文学好きでないと分からないと思うが、芥川賞作家中上健次の初期の作品を映画化したもの。
この小説を最初に読んだのは、小説家を目指していた23歳くらいのころだと思う。一言で言えば、心を病んでいる新聞配達少年の話。そのときは、今まで自分が出会った短編の中で最高だと思った。
今日、映画を見て、それにつられて10年ぶり以上に小説も読んだ。本棚のいちばん手に取りやすい場所に、常に置いてあった本だ。
・・・魂がまったく揺さぶられなかった。やっぱり、そのときそのときによって呼応する本というものがある。もし同じような感動を受けていたとしたら、自分という人間がぜんぜん成長していないということになる。
一方で、夢多き時代の熱き感動を思い出せなかった寂しさも感じつつ、娘のオムツを替えた。