年少のときから、かけっこも一番遅く、跳び箱とかも先生に支えながら、皆の拍手をもらっていた。
親として、去年から、今年、いちばん気にしていたのがリレー。
みんなの足を引っ張るから、ハンデつけてもらったほうがいいんじゃないか、とか、本人が傷つかないように、いっそ欠席させたほうがいいんじゃないか、とか。
先生にそのことを事前に相談すると、キョウハの所属するチームに足の速い子を集め、バランスをとってくれているとのこと。ならば、と僕も週末、近所の公園で幼稚園と同じ大きさのトラックを書いて、ぐるぐる何度もキョウハと一緒に周って特訓させた。本人も、「絶対勝つぞ!」と、公園でも幼稚園でもやる気満々で練習していた。
ところが、昨夜から37度の熱で、今朝もだるそうだったが、様子を見ながら参加させることに。
リレーはプログラムの一番最後。リレーの前の「組み立て体操」のとき、友達のK君が38度の発熱。しかし、ふらふらになりながらも、組み立て体操を立派にこなした。そんな様子を見て、そして先生方が、ここ1ヶ月ほどの普段の練習の成果が出たのを見てウルっときていたのを見て、こちらもウルっときてしまった。
そんなことがあったから、リレーはもう、キョウハが無事で走ってくれればそれでいいとだけ思った。
1学年4チームに分かれ、キョウハは赤チーム、9人走者の4番目。
よーい、ドン。
赤チーム1番の子はめちゃくちゃ早い。そのままぶっちぎり1位でキョウハにバトンが渡る。
1周する間にあれよあれよと、3人に追い抜かれ、みんなには大分遅れて5番目の子にバトンを渡す。まったく予想通りの展開だった。チーム全体では3位。練習では4位が圧倒的に多かったというから、チームとしても、キョウハとしても最高の結果だったと思う。
あそこでバトンを落とそうが転ぼうが、誰も攻めないのが幼稚園の運動会だ。それでも、親って欲張りだよな、つい心の奥底で「結果」を求めていることに気づく。口では「ビリでも、がんばっていれば、それでいいよ」と言いつつ、ビリじゃない淡い期待を抱いてしまう。順位よりも、高熱なのに、組み立て体操を練習どおりにこなしたK君の根性のほうが、よっぽど大事。K君にそのことを教えてもらった。
1学年30人ちょっと、という小規模幼稚園だったが、来年からはいよいよ小学校だ。子どもは親に心配させるのが仕事、というが、お手柔らかに願いたい・・・。